秋になると、美術館や博物館の展覧会も少しずつ入れ替わります。上野公園周辺だけでも複数の大型展があり、「今やっているもの」と「もうすぐ始まるもの」が混ざっていて、予定を立てるときに迷うことがあります。
そこで今回は、2026年9月25日時点の公式情報をもとに、台東区内の主な美術館・博物館で現在開催中の展覧会と、これから始まる注目展をまとめ直しました。
9月末で終わる展示がある一方、10月に入ると広重、ターナー、シンシナティ美術館など新しい展覧会が続きます。秋に美術館へ行こうと思っている人は、会期を見ながら選んでみてください。
台東区の主な美術館・博物館まとめ
| 施設名 | エリア | 現在開催中・今後の注目展示 | 会期 | 今回の注目点 |
|---|---|---|---|---|
| 東京国立博物館 | 上野公園 | 「博物館でアジアの旅 カラフルアジア」/特別展「歌川広重 江戸のベストアングル」 | 2026年9月15日~11月8日/9月29日~12月20日 | 9月29日から広重の特別展がスタート。代表的な風景版画を中心に楽しめます。 |
| 国立科学博物館 | 上野公園 | 特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」/特別展「生きものたちの性」 | 2026年7月11日~10月12日/10月31日~2027年2月21日 | 「いきもの超ワールド展」は残りわずか。10月末から次の大型特別展が始まります。 |
| 国立西洋美術館 | 上野公園 | 小企画展「神話、寓意、祝祭――ルネサンスからバロックにおけるイタリア宮廷と版画」/「テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話」 | 2026年6月30日~10月12日/10月24日~2027年2月21日 | レンブラント展は9月23日で終了。次の大きな企画展は10月24日開幕のターナー展です。 |
| 東京都美術館 | 上野公園 | 特別展「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」/「この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス」 | 2026年7月25日~10月18日/7月23日~10月7日 | 浮世絵や江戸絵画を見るなら今。百花繚乱は9月29日から開室時間が9時15分に繰り上がります。 |
| 東京藝術大学大学美術館 | 上野公園 | 三上亮退任記念展「(ひみつ)行為の無作為」/古川聖退任記念展「共振する音とメディア」 | 2026年10月3日~10月18日/10月31日~11月8日 | 「藝大式 美術のミカタ」は9月23日で終了。上野キャンパスでは10月から新しい展示が続きます。 |
| 上野の森美術館 | 上野公園 | 「第39回 日本の自然を描く展」「よむよむ展」/「シンシナティ美術館展 アメリカに渡ったヨーロッパの至宝」 | 2026年9月10日~9月29日・9月18日~9月29日/10月10日~2027年1月10日 | 9月末で現在の展示が終了し、10月10日から海外美術館コレクションの大型展へ切り替わります。 |
| 台東区立朝倉彫塑館 | 谷中 | 特別展「ASAKURA ZOO 2026」 | 2026年7月18日~12月27日 | 朝倉文夫の動物彫刻と、動物や昆虫を題材にした収集品を展示。会期中は外壁工事にも注意が必要です。 |
| 書道博物館 | 根岸 | 書道博物館開館90周年記念「中村不折と書道博物館 ―不折のおたから大公開!―」 | 前期 2026年7月18日~9月27日/後期 10月6日~12月13日 | 9月27日で前期終了。9月28日~10月5日は展示替え休館となり、10月6日から後期展示です。 |
| したまちミュージアム | 上野・不忍池 | 企画展「壁画 浅草ビッグパレード 加太こうじが描いた浅草のスターたち」 | 2026年7月7日~11月1日 | 浅草六区で活躍したスターを描いた大型壁画と、加太こうじの紙芝居や資料を紹介しています。 |
| したまちミュージアム付設展示場 旧吉田屋酒店 | 上野桜木 | 旧酒店の建物と酒類販売に使われた道具・資料を常設展示 | 通年 | 企画展を見る施設というより、明治期の商家建築と昔の酒屋の姿そのものを楽しむ場所です。入館無料。 |
| 一葉記念館 | 竜泉 | 特別展「没後100年 師の君 半井桃水と樋口一葉」(仮称) | 2026年10月24日~12月20日 | 秋の目玉は、一葉の小説の師として知られる半井桃水を取り上げる特別展。9月末時点では開催前です。 |
| 旧東京音楽学校奏楽堂 | 上野公園 | 建物公開・音楽資料展示・演奏会 | 9月25日・26日・27日・29日・30日など建物公開 | 展覧会より、重要文化財の建物そのものと音楽資料、コンサートを楽しむ施設です。10月30日、11月14日にも公演予定があります。 |
| 江戸たいとう伝統工芸館 | 浅草 | 江戸簾、東京桐たんす、江戸指物など約50業種・250点余りを常設展示 | 通年 | 入館無料。実演や特別展は不定期なので、開催日に合えば職人の仕事も間近で見られます。 |

ハル地図は簡易的なものです。場所の目安として使い、詳しい入口やアクセスは各施設の公式サイトで確認してください。
九月末は終わる展示と始まる展示が重なります
9月25日時点で特に気をつけたいのが、9月末で終了する展覧会です。上野の森美術館の「日本の自然を描く展」と「よむよむ展」は9月29日まで。書道博物館の90周年展も前期は9月27日までとなっています。
一方、東京国立博物館では9月29日から特別展「歌川広重 江戸のベストアングル」が始まります。9月最後の週は、終わる展示と新しく始まる展示がちょうど入れ替わる時期です。
今週末に行くのか、10月に入ってから行くのかで選べる展覧会が変わります。気になっているものがあれば、まず会期だけでも見ておくと予定を立てやすいですね。
上野公園では十月から大型展が続きます
10月の上野は、新しい大型展がかなり増えます。上野の森美術館では10月10日からシンシナティ美術館展、国立西洋美術館では10月24日からターナー展が始まります。
国立科学博物館では「いきもの超ワールド展」が10月12日で終了。その後、10月27日から野口英世生誕150年記念企画展、10月31日から特別展「生きものたちの性」が予定されています。
同じ上野公園でも、美術、自然科学、日本美術と内容はかなり違います。10月後半は見たい展示が重なるので、1日に全部回ろうとせず、日を分けてもよさそうです。
東京都美術館は江戸絵画が十月まで続きます
東京都美術館では、「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」が10月18日まで開催されています。歌麿、写楽、北斎、広重などの浮世絵も含まれる大きな展覧会です。
同館の開館100周年記念展「この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス」は10月7日まで。百花繚乱のチケットを持っている場合は、こちらを特別料金で見られる案内もあります。
百花繚乱は9月29日から10月18日まで、開室時間が通常より15分早い9時15分になります。会期後半に行く人は、この変更も覚えておきたいところです。
谷中と根岸では長めの特別展が開催中です
谷中の朝倉彫塑館では、「ASAKURA ZOO 2026」が12月27日まで続きます。朝倉文夫の動物彫刻だけでなく、朝倉が集めた動物や昆虫を題材にした美術工芸品も展示されています。
根岸の書道博物館では、開館90周年記念「中村不折と書道博物館 ―不折のおたから大公開!―」を開催中。前期と後期で展示期間が分かれているのが特徴です。
書道博物館は9月28日から10月5日まで展示替えで休館します。朝倉彫塑館も工事に伴う見学制限や臨時休館が予定されているので、出発前に開館情報を見ておくと安心です。
したまちミュージアムは浅草のスターが主役
不忍池そばのしたまちミュージアムでは、企画展「壁画 浅草ビッグパレード 加太こうじが描いた浅草のスターたち」が11月1日まで開催されています。
西浅草にあった喫茶店に飾られていた大きな壁画を中心に、浅草六区で活躍したスターたちや、紙芝居作家・加太こうじの仕事をたどる内容です。
9月26日と10月10日、10月24日にはギャラリートークも予定されています。展示だけでなく、作品の背景まで聞いてみたい人は開催日を合わせるのも面白そうです。
一葉記念館は十月下旬から新しい特別展
竜泉の一葉記念館では、10月24日から特別展「没後100年 師の君 半井桃水と樋口一葉」が予定されています。現時点では仮称として案内されているため、正式な展覧会名は今後変わる可能性があります。
半井桃水は、樋口一葉が小説を書くうえで大きな影響を受けた人物です。一葉記念館へ秋に行くなら、10月下旬以降を狙うと新しい特別展を見ることができます。
展示だけでなく建物そのものを楽しむ施設も
旧吉田屋酒店、旧東京音楽学校奏楽堂、江戸たいとう伝統工芸館は、大型企画展だけを目的に行く施設とは少し違います。建物、常設資料、工芸品そのものが大きな見どころです。
旧吉田屋酒店では昔の酒屋で使われた秤や樽、看板などを無料で見学できます。江戸たいとう伝統工芸館も入館無料で、約50業種・250点余りの工芸品を常設展示しています。
旧東京音楽学校奏楽堂は建物公開日が決まっています。演奏会を行っている時間帯もあるので、建築をじっくり見たい日は公開日と公演予定を合わせて見ておくのがおすすめです。
秋の美術館巡りで確認したいこと
秋は展覧会の入れ替えが多く、同じ施設でも一週間違うだけで展示内容が変わります。特に9月末から10月は、展示替えによる休館日にも注意が必要です。
- 展覧会の最終日と開始日
- 展示替えに伴う休館日
- 日時指定予約の有無
- 金曜日などの夜間開館
- 展示作品の入れ替え期間
国立科学博物館の特別展など、一部日程で日時指定予約が設定される展示もあります。チケットを買ってから予定が合わない、ということがないよう、日付まで決めてから購入すると安心です。
九月末と十月で行き先を分けてみます
9月中に行くなら、国立科学博物館の「いきもの超ワールド展」、東京都美術館の「百花繚乱」、朝倉彫塑館やしたまちミュージアムなど、現在開催中の展示から選べます。
10月まで待つなら、東京国立博物館の広重展、上野の森美術館のシンシナティ美術館展、国立西洋美術館のターナー展など、新しい候補が一気に増えてきます。
台東区は一つの地域にこれだけ違うジャンルの施設が集まっています。気になる展覧会を二つか三つ選んで、会期が重なる日から予定を決めてみると秋の美術館巡りを楽しみやすいですよ。
※記事初投稿5/28、更新9/25













