かゆみや赤い発疹が出ても、乾燥や虫刺されだと思ってしばらく様子を見ることがあります。ところが台東区では10月15日、区内の施設などから疥癬の報告や相談が増えているとして注意を呼びかけました。
地域情報メディア『タイトウタイムズ』のエリア担当ライター、ハルです。わたしも「疥癬」と聞いて名前は知っていても、どんな症状が出るのか、どうやってうつるのかまではよく知りませんでした。
台東区の案内を読むと、通常疥癬と角化型疥癬では感染のしやすさがかなり違います。どんな症状が出るのか、どんな場面で感染するのか、受診の目安まで調べました。
台東区で疥癬の報告や相談が増えています
台東区が今回伝えているのは、区内の施設などから疥癬の報告や相談が増えているということです。区内全体で大流行していると発表したわけではありません。
高齢者施設や介護施設などでは、介助の際に肌へ触れたり、寝具を扱ったりする機会があります。そのため、症状に早く気づき、周囲に広げない対応が求められています。
疥癬はヒゼンダニによる皮膚の感染症です

疥癬は、ヒゼンダニという小さなダニが人の皮膚に寄生して起こる感染症です。台東区では「通常疥癬」と「角化型疥癬」の二つに分けて案内しています。
同じ疥癬でも、感染力や現れる症状には違いがあります。中でも角化型疥癬は感染力が強く、施設などでは集団感染につながることもあります。
通常疥癬と角化型疥癬は感染力が違います
通常疥癬は感染力が比較的弱く、主な感染経路は長時間にわたる肌と肌の直接接触です。潜伏期間は約1~2か月で、高齢者では数か月に及ぶ場合もあります。
一方、通常疥癬と角化型疥癬では感染力が違います。角化型では短時間の接触だけでなく、剥がれ落ちた皮膚のかけらから感染する場合もあります。
| 項目 | 通常疥癬 | 角化型疥癬 |
|---|---|---|
| 感染力 | 弱い | 強い |
| 主な感染 | 長時間の皮膚接触 | 短時間の皮膚接触や落屑 |
| 潜伏期間 | 約1~2か月 | 約7日程度 |
| かゆみ | 強い | 程度は一定しない |
夜に強くなるかゆみや発疹に注意が必要です
通常疥癬では、夜間に強くなるかゆみが特徴の一つです。手指や手首、わきの下、体幹などに皮膚症状が現れることがあります。
線のように見える「疥癬トンネル」や、小さな盛り上がり、しこりが出る場合もあります。ただし、こうした症状だけで疥癬と決めることはできません。
- 気になる皮膚症状
-
夜に強くなるかゆみや、手指・手首・わきの下・体幹に出る発疹などがあります。
通常疥癬は長い皮膚接触でうつります
通常疥癬は、長時間にわたって肌が直接触れることで感染する場合があります。同じ建物にいたり、近くを通ったりしただけで、すぐ感染するというものではありません。
一方、介助や添い寝など、長く肌が触れる場面では感染の可能性があります。身近な人が疥癬と診断された場合は、自分の皮膚に変化がないかも気になるところです。
ハル通常疥癬は長い皮膚接触が主な感染経路です
寝具や衣類から感染することもあります
感染するのは皮膚同士が触れたときだけではありません。寝具や衣類などを介することもあり、台東区はタオル、寝衣、寝具類を共用しないよう施設へ呼びかけています。
施設では寝具や衣類の洗濯と管理に加え、居室や共用部分の日常的な清掃も続けます。角化型疥癬が疑われる場合は、通常疥癬とは対応が異なるため保健所への相談が必要です。
一度の検査で見つからない場合もあります
疥癬は、皮膚の症状だけではほかの皮膚病と区別しにくい場合があります。確定診断では皮膚から検体を採り、ヒゼンダニの虫体や卵がないか顕微鏡で調べます。
一度の検査では見つからないこともあります。疥癬が疑われる場合は複数の部位を繰り返し調べることがあるため、見た目だけで自分で決めるのは難しい感染症です。
施設では職員と利用者の健康観察が大切です
施設では利用者だけでなく、職員の皮膚の状態にも注意します。原因の分からない発疹や強いかゆみがある場合は、医療機関の受診を検討するよう台東区が呼びかけています。
ケアの前後に手を洗い、必要に応じて手袋やガウンを使うことも対策の一つです。施設内で複数の患者が出るなど感染の広がりが心配な場合は、台東保健所へ相談できます。
- 利用者と職員の皮膚症状を見る
- ケアの前後に手指衛生を行う
- 必要に応じて手袋やガウンを使う
- タオルや寝具類の共用を避ける
- 感染拡大が心配な場合は保健所へ相談する
身近な人に症状が出たら皮膚科へ相談します
家族や身近な人に疥癬が疑われる症状が出ると、自分にも感染していないか心配になります。強いかゆみや発疹がないか、自分の皮膚の状態も気になりますよね。
夜になるとかゆみが強くなる、手指や手首などに見慣れない発疹がある。そんな症状があれば皮膚科で相談できます。周囲で疥癬が出ている場合は、そのことも医師に伝えます。
夜のかゆみや、手指・手首などに発疹が出ていないか見ます。
家族や施設などで、疥癬の人と長く肌が触れる場面がなかったか思い返します。
気になる症状があれば、周囲の発生状況も伝えて医師に相談します。
まず夜のかゆみと皮膚の変化を見てみます
夜になるとかゆみが強い、手や手首に見慣れない発疹がある。そんな症状が続いているなら、いつごろから始まったのかを覚えておくと、受診したときにも話しやすくなります。
わたしは「ダニ」と聞くと、最初に家の掃除を思い浮かべました。でも疥癬は、ヒゼンダニが皮膚に寄生して起こる感染症です。掃除だけで済ませられるものではありません。
台東区では、施設からの報告や相談が増えています。必要以上に心配することはありませんが、気になるかゆみや発疹が続いているなら、皮膚科で一度相談してみてください。













