着られる寝袋って何?2026年秋に新型登場 台東区の防災目線で調べた

寝袋といえば、体を筒の中に入れて横になるものを想像します。ところが最近は、腕や脚を動かせて、そのまま歩くことまでできる「着られる寝袋」が防災用品として登場しています。

タイトウタイムズのナッシーです。2026年9月にはキングジムから新しい「着る布団&エアーマット」が発売され、10月にはグッドデザイン賞も受賞しました。調べてみると、キャンプ用品というより、災害時にその場へ留まりながら動くための防寒・休息用品として考えると分かりやすい製品でした。

目次

「着られる寝袋」って普通の寝袋と何が違う?

普通の寝袋は、入って横になれば暖かい一方、起きて移動するときには基本的に体を出します。着られるタイプは腕や脚が分かれていて、寝袋に入った状態のまま立ったり歩いたりできるのが大きな違いです。

災害時には、寝ている途中で余震が来たり、トイレへ行ったり、場所を移動したりする可能性があります。そのたびに寝袋から出る必要がないよう、「休む」と「動く」を一つにした発想です。

2026年秋に登場したキングジムの「着る布団」

2026年9月18日に発売されたキングジムの「着る布団&エアーマット」は、人型形状の寝袋とエアーマットをセットにした防災用品です。価格は税込13,750円となっています。

着る布団本体の推奨身長は約150~175cm、最大対応身長は約180cm。収納袋、エアーマット、ポンプもセットになっており、箱ごと防災備蓄品として保管できるよう作られています。例えるなら、分厚いキングジムのファイルみたいな箱なので、そのまま書類棚に置くことも可能です。

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着たままトイレへ行けるのが地味に大きい

足元には別のファスナーがあり、下側だけ開けられます。つまり、移動するたび全部脱ぐ必要がありません。袖口や裾も調節でき、腕や脚を出して動ける形になっています。

さらにフード、ホイッスル、暗い場所で見えやすい反射テープ、スマートフォンや財布を入れられるポケットも装備。防寒着ではなく、避難生活を想定した細かい機能まで入っています。

寝袋なのに「着たまま何ができるか」で考えられているのが面白いですね

床の寒さ対策は寝袋だけでは足りない

セットにエアーマットが入っているのにも理由があります。避難所やオフィスの床へ直接寝ると、体の下から冷えや硬さが伝わります。上から暖かくするだけでは十分とは限りません。

付属マットは約195cm×70cm、厚さは最厚部約5cm。着る布団とマットを分けず、休む環境まで一緒に備える考え方です。ファスナーをすべて開けば、着る布団自体を掛け布団としても使えます。

ただしキャンプ用寝袋と同じと思うのは注意

見た目から「これで冬キャンプもできそう」と考えたくなりますが、キングジムは着る布団もエアーマットも室内専用としています。アウトドア用シュラフのような使用温度の表示もありません。

そのため、登山や真冬の野外宿泊用寝袋の代わりとして選ぶ製品ではありません。災害時のオフィス、避難所、一時滞在場所などで休息するための備蓄用品として見る方が製品の目的に合っています。

「着られる寝袋」はキングジムだけではない

別の方向で作られているのが「SONAENO クッション型着られる寝袋」です。普段は42cm四方のクッションとして置いておき、必要になったら約160×200cmの寝袋として広げられます。

こちらは寝袋だけでなくポンチョ、ブランケットとしても使える3Way仕様で、価格は税込14,800円。非常時だけ押し入れにしまうのではなく、普段から部屋に置いておくという考え方です。


同じ「着られる」でも目的が少し違う

キングジムは手足を動かして移動しやすい人型タイプ。一方のSONAENOは、大きく広げて寝袋やブランケットにしたり、ポンチョとして羽織ったりできるタイプです。

「着られる寝袋」という一つの商品規格があるわけではありません。災害時に歩きたいのか、普段はクッションとして置きたいのかなど、製品によって重視する機能がかなり違います。

台東区で考えると、実はかなり現実的な防災用品

台東区は上野や浅草を抱え、通勤・通学だけでなく観光や買い物で毎日多くの人が訪れます。区も大地震では交通機関の停止により多数の帰宅困難者が発生する可能性があるとしています。

災害時の基本は「すぐ歩いて家へ帰る」ではありません。台東区は、むやみに移動を開始せず、安全な場所で待機し、正確な情報を見て行動するよう呼びかけています。

事業所では「3日間待機」を考えた備えも必要

帰宅困難者対策では、事業者にも一斉帰宅を抑え、従業員を施設内へ留められる環境を整えることが求められています。台東区では3日程度を想定した食料や生活必需品の備蓄を呼びかけています。

備蓄例には毛布や使い捨てカイロなども含まれます。着られる寝袋は区が必須品として指定しているものではありませんが、「会社で数日待機する場合の防寒・就寝」を考える選択肢の一つにはなります。

上野・御徒町で寝袋そのものを見比べる場所はある

台東区上野3丁目には大型店の「モンベル御徒町店」があり、3階がキャンピング用品売場になっています。通常の寝袋やマットなど、防災にも流用できるアウトドア用品を実物で比較できます。

ただし、今回紹介したキングジムやSONAENOの「着られる寝袋」がモンベル御徒町店に置かれているという情報は確認できませんでした。「台東区で現物を見られる商品」とは分けて考える必要があります。

新型の「着る布団」は10月31日から実物を見る機会も

キングジムの新しい「着る布団&エアーマット」は2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。10月31日~11月4日に東京ミッドタウンで行われる受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2026」に展示予定です。

会場は台東区ではなく六本木ですが、入場は無料。写真だけでは人型寝袋の大きさや形が分かりにくいので、実物を見てみたい人にはちょうどいいタイミングです。

買うなら「暖かそう」だけで決めない方がいい

防災用なら、収納サイズ、着脱しやすさ、対応身長、床からの冷え対策、普段どこへ置くかまで見た方が実用的です。家族全員が同じサイズで使えるとも限りません。

また、寝袋だけ備えても水、食料、携帯トイレ、照明などの代わりにはなりません。「着られる寝袋を買えば防災対策が完成」ではなく、寒さと休息を補う一つの道具として考えるのがよさそうです。

台東区では「家へ帰れない夜」を想像すると分かりやすい

「着られる寝袋」と聞くと少し変わったアウトドア用品に見えますが、上野や浅草で交通が止まり、その場で長時間待機すると考えると用途が見えてきます。寝るだけでなく、暖かい状態のまま動けることに意味があります。

2026年秋はキングジムの新商品発売とグッドデザイン賞受賞もあり、改めて注目されるタイミングです。防災袋へ何を入れるかだけでなく、「被災した夜をどこで、どう休むか」。着られる寝袋は、その部分を考えるきっかけになる防災用品です。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

この記事を書いた人

ライター・(左から)ハル、ナッシー

台東区に暮らすハルです。地域情報メディア『タイトウタイムズ』で、地域の日常に役立つ情報をナッシーとともにお届けしています。

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