「バター餅」と聞くと、秋田の郷土菓子を思い浮かべる人もいると思います。ところが2026年にSNSで話題になっているのは、見た目も食感もかなり違う焼き菓子。外はカリッ、中はもちもちの「バタートック」と呼ばれるスイーツです。
タイトウタイムズのナッシーです。しかもこのバター餅、台東区にはすでに上陸済み。2026年9月には松坂屋上野店で期間限定販売され、西浅草の馬嶋屋菓子道具店は作り方まで公開しています。さらに10月20日からはセブン‐イレブンでも全国順次発売しています。
いま話題の「バター餅」は秋田名物とは別もの
まず、ここが一番ややこしいところです。2026年に韓国のカフェやSNSで注目され、日本でも名前を聞くようになったバター餅は、もち米粉などにバターを合わせて焼き上げるタイプです。
中国・上海の「黄油年糕」をルーツとして紹介する店やメディアが多く、韓国では「バタートック」として人気が広がりました。表面をしっかり焼くので、外側はカリッ、中は餅のようにもっちり。この食感の差が特徴です。
「バタートック」「上海バター餅」呼び方がいくつもある
SNSを見ていると、「バター餅」「バタートック」「上海バター餅」と名前がばらばらで、ここも少し混乱します。韓国ではバターと餅を意味する「トック」を合わせた呼び方が使われ、日本では分かりやすくバター餅と紹介されることが増えました。
ルーツについては、中国・上海の黄油年糕から広がったと紹介する販売店やトレンドメディアが複数あります。その後、韓国のカフェやSNSで人気となり、日本へ入ってきた流れです。「韓国で話題」と「韓国発祥」は同じ意味ではない点は分けておきたいところです。
秋田のバター餅とは何が違う?
一方、秋田県北秋田市のバター餅は昔から食べられてきた郷土菓子です。日本バター餅協会によると、蒸してついたもち米にバター、卵黄、砂糖などを練り込んで作ります。
| 比べるところ | 話題のバター餅 | 北あきたバター餅 |
|---|---|---|
| 作り方 | もち米粉などの生地を焼く | ついた餅にバターなどを練り込む |
| 食感 | 外カリッ・中もちもち | やわらかく、よく伸びる |
| 広まり方 | 2026年に韓国のSNSなどで話題 | 北秋田で40年以上親しまれる郷土菓子 |
名前は同じでも、かなり違います。秋田版は「餅そのもの」にバターを混ぜるのに対し、いま流行している方は焼き菓子に近い作り方。見た目だけならマドレーヌやフィナンシェの仲間にも見えます。
なぜ2026年に急に話題になった?
韓国では2026年春頃からSNSを中心に注目が広がり、カフェやベーカリーにも登場しました。ポイントは味だけでなく、焼き色のついた外側と白っぽくもちもちした中身の差。割ったときの断面がかなり分かりやすいスイーツです。
2026年8月のトレンドレポートでは、上海発のバター餅が韓国で急速に拡散した背景として、前年から続く「もちもち食感」のスイーツ人気も挙げられています。高価な材料を多く使わず作りやすいことも、広がりやすさにつながったようです。
実は9月、松坂屋上野店ですでに売られていました
台東区との接点を探したところ、意外と近いところにありました。2026年9月10日~16日に松坂屋上野店で開かれた「秋のうまいもの物産展」に、アールグレイ専門店「&EARL GREY」が出店しています。
そこで販売されたのが、まさに話題のバター餅。プレーン、アールグレイ、黒糖、チーズの4種類で、価格は各324円でした。公式発表でも「上海バター餅」と紹介され、外はカリッ、中はもちもちの食感を特徴としていました。
残念ながら催事はすでに終了しています。ただ、韓国で話題という段階から、日本のコンビニへ広がる前に上野で販売されていたと考えると、台東区にはかなり早い段階で入ってきていたことになります。
10月20日からセブン‐イレブンで全国発売へ
さらに身近になるのが2026年10月20日です。セブン‐イレブンは「お店で焼いた カリッもちっバター餅」を全国で順次発売します。価格は149円、税込160.92円です。
もち米粉に専用小麦やタピオカ粉などを合わせ、低温でじっくり焼いた後、注文に合わせて店内のオーブンで仕上げます。狙っているのは、やはり「外カリッ・中もちもち」の食感です。
ただし、全国すべてのセブン‐イレブンで買えるわけではありません。「セブンカフェ ベーカリー」取り扱い店舗限定で、台東区内でも個別店舗の販売状況までは2026年10月18日時点で確認できませんでした。
台東区で探すなら「セブンカフェ ベーカリー」が目印
セブンカフェ ベーカリーは、店内のオーブンを使ってパンなどを仕上げるサービスです。2026年9月末時点で全国約1万3,000店舗に導入されていますが、店舗によって取り扱い商品が異なります。
つまり台東区で10月20日以降に探す場合、「近所のセブンなら必ずある」とは言えません。店頭のベーカリーケースを見るか、店舗へ確認するのが確実です。予定数が終了すれば販売を終える場合もあります。
ハル160円ほどなら、話題の味を試す入口としてはかなり手を出しやすいですね
西浅草では「買う」ではなく自分で作る道もある
かっぱ橋道具街にある馬嶋屋菓子道具店は、2026年4月にバター餅の検証レシピを公開しています。牛乳、バター、卵、もち粉、タピオカスターチなどを使い、マドレーヌ型で焼くレシピです。
面白いのは、食感を出すための配合や焼き時間までかなり細かく検証しているところ。180度で30分焼いた後、200度で10分焼き、外側の香ばしさと内側のもちもち感を作っています。
馬嶋屋菓子道具店は西浅草2丁目にある製菓道具の専門店なので、型を探すところから台東区内でできます。「売っている店を探すより作ってみたい」という人には、こちらの方が面白いかもしれません。
味はどんな感じ?マドレーヌと餅の間を想像すると近い
材料を見ると、バターを使った洋菓子寄りなのに、中心はもち米粉。紹介されている食感も、表面は焼き菓子のように香ばしく、中は大福のように弾力があるという組み合わせです。
味の展開もしやすく、上野の催事ではプレーンだけでなくアールグレイ、黒糖、チーズまで登場しました。練乳やチョコレートを合わせる店もあり、基本の生地からかなりアレンジできるようです。
10月21日時点では「これから買いやすくなる」段階
今回の記事を書いている2026年10月21日時点では、松坂屋上野店の催事販売は終了済みで、セブン‐イレブン版が順次販売していくところです。つまり台東区でいつでも買えるスイーツになっている状態です。
つまり9月に上野の催事へ登場し、10月20日から全国チェーンへ展開されている流れを見ると、日本で一気に知名度が上がるタイミングに入っています。短期トレンドとして追うなら、まさに今が境目と言えそうです。
「秋田名物を買ったつもり」が一番間違えやすい
これからコンビニや催事で「バター餅」という商品を見かける機会は増えそうです。ただ、名前だけでは秋田のバター餅なのか、バタートック系なのか分かりません。
見分けるなら「焼いてあるか」を見るのが早いです。焼き色の付いた小さな焼き菓子なら今回のトレンド系、白っぽく柔らかな餅なら北秋田系と考えると分かりやすいでしょう。
2026年10月20日からはコンビニにも本格的に入ってきます。上野ではすでに催事で販売され、西浅草では作り方まで公開済み。台東区で次に「バター餅」を見かけたら、まずどちらのバター餅なのかを見るところから楽しめそうです。















